2004.5.22 〜 5.23
九州へ (対馬国、壱岐国、筑前国)
和多津美神社、海神神社、住吉神社、天手長男神社

本当に行けるのか

 ANAさんの超割を利用しての、仙台-福岡、福岡-対馬の航空チケット、そして、対馬でのレンタカー、福岡のホテル、壱岐-福岡間の高速船ジェットフォイルの予約と、巡拝の準備は完璧に整っていた。
 加えて、対馬観光協会発行の対馬国のパスポート、壱岐観光協会発行の壱岐国パスポート(いずれも、これを持っていると様々な特典を受けることができるという楽しい企画)も準備し、楽しみにしていた。(宿泊は福岡の予定であったので、夜の博多を思い浮かべながら...)
 しかし...いつも直前には不幸な出来事が起こるのである。
 最大の難関が
5.11からのフィンランドへの出張、なんとか帰国することができた。次が台風で、これもなんとか旅立ちの前日5.21に通過した。
 また今回も滑り込みで旅ができることになった。期間中の天気も上々のようで、いつも滑り込みでなんとかなるものだと自分の運というものを不思議に思った。


5月22日 

 カミサンがこの期間、車を使わないということだったので、カミサンの車で空港に向かう。時間には少し余裕があったので、コンビニで軽く朝食をとった後、いつもの駐車場に車を預け、空港に送迎車で送ってもらう。
 飛行機は8:15発 ANA798便 B737-500 スーパードルフィン 順調に飛行したように思われたが台風の影響か、20分程遅れて福岡空港(第2ターミナル)に到着した。この日は対馬の一の宮をお参りする予定であるので、対馬行きの飛行機に乗り換える。対馬行きの飛行機は第1ターミナルから出発との掲示があったので、ぷらぷらと第1ターミナルに向かって歩く。
 対馬行きは12:30発のANA4905便、時間はたっぷりあるので、第1ターミナルのみやげ物屋などを見て時間をつぶそうと考えたが、第1ターミナルは大変小さく、すぐ見終わり、暇をもてあましはじめてしまった。対馬ではレンタカーを借りることにしていたので、ビールを飲むわけにもいかず...。
 少々早いが手荷物検査を受けることにした。この空港の検査は大変厳しい。カメラバッグ内の機材を全て出させられてしまった。
 12:30 定刻通りANA4905便は出発し、13:00対馬に到着した。天気が大変よく、風が大変ここちよい。
 予約していたレンタカーの空港受付を訪ねてみると、係の女性に送迎車に案内された。今回はトヨタレンタカーさんにお世話になる。
 レンタカー屋さんで借用の手続きを行った後、地図と看板を見ながら車を走らせる。車はVitz大変快適である。
 対馬は位置的な関係なのだろう、道路標識や、看板が日本語とハングル語が併記されていた。
 あまり関係はないが、この日は、わが国の首相が、隣の国に渡り、大変な会談を実施した日であった。

和多津美神社

 今回対馬に訪れた目的は一の宮海神神社にお参りし、御朱印をいただくことであったが、書籍やインターネットで和多津美神社という神社があり、この神社を含んだその一帯の風景は大変素晴らしいということであったので、対馬に訪れた際にはお参りし、御朱印をいただき、その風景をぜひこの目で見てみたいと考えていた。
 そこで、御朱印をいただきたい旨を前もってこの神社さんに連絡をしようと、書籍に書いてある電話番号や、インターネットで知り合った旅の先輩に伺った電話番号に何度となく電話をかけてみていたのだがまったく繋がらなかった。なのでこの旅のはじめには、たとえ御朱印はいただけなくても、お参りだけはさせていただき、景色だけはしっかりと目に焼き付けておこうと思っていた。
 しかし、
"奇跡というものは起きるものなのだ。"と感じた瞬間が来た。和多津美神社に向かう途中のパーキングに車を停め、携帯電話から ダメもとで和多津美神社へ電話してみた。なんと電話が通じた。電話口の神社の方に御朱印をいただきたい旨を伝え、待っていていただけるようお願いした。このパーキングから30分くらいとのことであったので早速車を走らせた。道路標識に和多津美神社と記された通りに進む。Vitsはナビ付であったのであるが、この道は表示されておらず、多少不安を感じつつも車を走らせる。しかし、すぐ次の案内標識を発見した。(後に経験的に気付いたことであるが、対馬は観光地、史跡等に関する案内標識は大変よく整備されており、案内標識に注意していればまず迷うことはないと思われる。)
 神社の方の言われたとおり、連絡を入れた場所から約30分、14:00少し前に和多津美神社に到着した。
 まずは、お参りをさせていただき、社務所を訪ね、御朱印をお願いした。途中、電話でお話させていただいた男性が、対応してくださった。この後、海神神社へ行きたいとお話すると、約20分位であるとの情報をいただいた。
 対応いただいた方にお礼を述べ、社務所を後にし、境内や、周りの風景の撮影をさせていただいた。
 少々残念だったのは、訪れたのが丁度潮がひいてしまった時間帯だったことであろうか。しかし、噂に違わず、鳥居が海面に点々と連なる様子は、龍宮城を想像させた。

             
海に浮かぶ鳥居 境内にて
この地は龍宮城か? 和多津美神社拝殿

海神神社

 和多津美神社を後にして、海神神社に到着したのは、15:00少し前であった。
 社務所を訪ねてみるが、誰もおられない。しかし、窓に、「御用の方はこちらに電話を。」と2件の電話番号が記されていた。
 1件目に電話をしてみた。しかし、お留守のようだった。2件目のお宅は、担当の方がおられないとのことだった。御朱印はいただけないかもしれないという考えが頭をよぎった。が、電話先の女性は親切にも、宮司様のお宅を教えてくだっさった。早速宮司様のお宅に伺ってみるが、宮司様はお留守とのこと、やはり御朱印はいただけないのか?とお参りだけでもと考え始めたところ、宮司様は、炭焼きに、近くの炭焼き釜に出かけているのでそこを訪ねるようにと教えてくださった。
 車で5分位のところに炭焼き釜はあり、そこに、男性が1人おられた。御朱印をいただきたい旨をお話すると、社務所へどうぞとのことで、車を2台連ねて社務所に戻り、社務所にて御朱印をいただくことができた。和多津美神社のことといい、このことといい、今回の旅は大変ついていた。
 わざわざお仕事の手を停め、ご対応いただいたお礼を述べ、海神神社の拝殿を目指した。拝殿は、伊豆山の中腹にあり、天気もよかったせいか、辿りついたときにはもう汗だくな状態であった。拝殿に向かい、家族の健康の祈願し、無事御朱印をいただけたこと、こうしてよい旅が続けられていることに感謝した。 
   
海神神社拝殿
海神神社の拝殿
伊豆山の中腹まで石段を昇る

福岡へ

 
海神神社さんを後にして、来た道を引き返す。迷う心配はないので、のんびりとくつろぎながらの運転。対馬空港発の飛行機は19:00発。空港近くのトヨタレンタカーに着いたのは16:50、十分に余裕はある。とはいえ、この後特に計画もなかかったので、空港に向かい、ぼっとすることにした。
 空港で、早めに手荷物検査を受け、待合所で出発を待つことにした。手荷物検査を受ける人の多くは、検査官と顔見知りのようで、雑談などを交わしながらすんなりと通りぬけていく。自分の番になり、カメラにはフィルムが入っているので、目視検査をお願いして別に流してもらい、その他のものはX線検査機の中へ。特に問題もなくあっさりと通過した。
 待合室にて、かなり汗をかいていたので、ついビールを購入してしまった。冷えていて大変おいしく感じた。(夜の楽しみにビールはとっておくつもりであったのだが...)
 飛行機は定刻通り19:00に出発し、19:25には空港に到着してしまった。
 空港から地下鉄に乗り、博多へ向かう。たった2駅なのに、250円は大変高い気がして、もしかすると、物価が非常に高い地方なのではないか?と、今晩の夕食の心配などしてしまった。
 ホテルは、博多の街中にあるチサンホテル博多。20:00過ぎにチェックインを済ませた後、食事に出るこことにした。
 いつものことだが、旅先の調査などまったくしていないので、まったくわからない。仕方ないので、タクシーを捕まえ、「このホテルからさほど離れていないところで、安く、飲み食いできるところ。」とお願いすると、かの有名な中州が近いと言われ、中州につれて行ってもらうことになった。数分で中州に到着。タクシーを下りる時、「ホテルはこの道をまっすぐ歩いていけば着くから。」と運転手さんが親切に帰り道を教えてくれた。


中州

 札幌のすすきのもそうだったが、ここも、大変客引きが多く、うんざりしてしまった。長浜らーめんに入り、長浜らーめんと、おでんをたのみ、一杯ひっかける。替え玉というシステムも体験した。おでんもおいしく、大変楽しむことができた。飲み屋に行くのに比べても大変安くすんだと思う。
 せっかく中州に来たので、屋台も体験したいと思った。屋台の立ち並ぶ川沿いに行き、適当に屋台を選び腰掛けてみた。となりに北海道から旅行に来ているという熟年のご夫婦と、その友人さんと一緒になった。色々な旅の話をおでんをつまみながらさせていただいた。
 最後には少しおごっていただいてしまった。(自分の名刺はお渡ししたが、住所をお聞きするのを忘れてしまい、御礼をすることができない。大変な手抜かりである。)
 22:00過ぎ、ホテルに戻り、酔いと疲れのせいか、あっという間に眠りに落ちてしまった。


5月23日

 
朝7:00に起き、ホテルのレストランでビュッフェ形式の朝食を取る。大変混んでいたが、おいしくいただいた。部屋に戻り、身支度をしながら外を見ると、この日の天気は晴れ。暑くなりそうである。
 この日の計画をおさらいしてみた。壱岐に行く高速船ジェットフォイルの出発は、博多港を10:10出航。それまでには時間はたくさんある。近くの地図を見てみると、筑前国一の宮住吉神社が、このホテルの近くにあることが分かった。
 チェックアウト後、住吉神社に向かった。

住吉神社

 住吉神社へは、ホテルから徒歩で10分程度で到着してしまった。
 住吉神社は、博多の街中に鎮座しているにも関わらず、境内は鬱蒼とした木々に囲まれ、大変涼しく、落ち着いていた。
 朝早かったので、神社の皆さんが境内の掃除をされていた。その中のお若い女性に「御朱印をいただきたいのですが、9:00頃まで待ったほうがよいでしょうか?」と尋ねると、「いえ、そんなことはないですよ。」と明るく微笑みながら、授与所に案内して下さり、若い男性の神職の方が筆を握られ、達筆な筆文字にて神社名や、参拝日を書き込んで下さった後に、先ほどの女性が御朱印を押して下さった。
 写真を撮影させていただきたい旨を申し出ると、拝殿の正面からだけは撮影しないでくださいとのお話をいただいたので、それに従い、撮影させていただいた。
 一時間ほど、境内を散策させていただき、壱岐へ向かう為、博多港に向かった。
 

             
神門 拝殿 御朱印をいただく
住吉神社神門 住吉神社拝殿 御朱印をいただく


博多港〜壱岐

 
博多港には、9:20頃到着した。既にインターネットで、壱岐、福岡間の往復の高速船ジェットフォイルの予約をいれておいたので、窓口でチケットを受け取る。その際、事前に壱岐の観光協会から送付していただいた、壱岐国パスポートを見せると、往復で500円程度料金が安くなった。楽しい企画であるとともに大変ありがたい。
 10:00少し過ぎ、ジェットフォイル"ビーナス"に乗船し、10:10定刻通り出航。窓の外を見ると天気がよいので、岸壁では釣竿を垂れる人が多い。船内は広く、揺れも少なく大変快適である。船内には船速を示すデジタルメーターがついており、それで速度を確認してみると、80Km以上出ていた。
 11:20壱岐港(郷ノ浦港)に到着した。
 

天手長男神社

 
天手長男神社へはお昼位に伺うと連絡させていただいていた。フェリーターミナルを出て、地図を見ながら歩いて向かおうと考えたのだが、現地の方から少々遠いのでタクシーを利用したほうがよいとのお話をいただいたので、少々贅沢し、タクシーを使用した。
 11:40頃、天手長男神社の参道に到着した。
 拝殿につき、お参りした後授与所を訪ねると、宮司様が待っていてくださり、すぐに御朱印をいただくことができた。
 「どちらからこられた?」との問いに、「仙台からです。」と答えると、東北へ神楽を見学しに早池峰を訪ねられ、大変感動なされたというお話をされていた。
 「壱岐の神社でも、神楽が盛んであり、開かれる時期にぜひお訪ね下さい。」とのお話をいただいた。
             
天手長男神社拝殿 宮司様 天手長男神社遠景
天手長男神社拝殿 御朱印のご対応ありがとうございました。 天手長男神社遠景
(郷ノ浦港へ向かう途中に撮影)


帰路(壱岐->博多->福岡空港->仙台)

 
天手長男神社の宮司様にお礼を述べ、壱岐港(郷ノ浦港)へ向かう。道は分かるのであるが、案外距離がある。バス時間を見るが適当な便はない。タクシーも流してはおらず、歩くしかない。のんびり、みやげを買いながら歩くこと約1時間。フェリーターミナルに着いたときには汗だくの状態であった。
 博多への便は15:25発。それまで、フェリーターミナル内で食事をとる事にした。食堂で海鮮丼を頼んでみた。大変安く量があり、色々な魚介類がのっており、大変楽しむことができた。その後、フェリーターミナル内で時間をつぶし、博多行きのジェットフォイルに乗船。博多港へは16:40頃到着した。
 仙台への飛行機は19:05発。時間が少々あるので、博多駅の地下街を少し流してみた。が、とくにめぼしいものを見つけることもできず、そのまま地下鉄で福岡空港へ。
 福岡空港でみやげを調達することにした。仙台行きは第1ターミナル発であること、みやげ物屋はあまりないことは、前日の対馬行きの際調べがついていたので、第2ターミナルへ向かいみやげ物を調達してから、第1ターミナルへ向かった。
 博多空港の手荷物検査は厳しいので、早めに済ませることにした。対馬行きの時と同じように機材を全て出させられチェックを受けた。
 19:05 ANA799便は定刻通り出発した。仙台へは10分程早く20:40頃に到着した。
 空港近くの駐車場で預けた車を受け取り、自宅への到着は、21:30頃であった。


 今回の巡拝も短期間(2日間)で、飛行機の乗り継ぎや、高速船の利用、そしてレンタカーを使用する等、かなり忙しい行程のように考えられたが、実際には大変時間に余裕がありのんびりとした旅となった。
 出発前、海外出張、台風、お参り予定の神社の方に連絡がつかない等、旅行自体が危ぶまれるような事態も発生したが、今回の旅には幸いにも大きな影響を及ぼさなかった。
 現在、強運期なのかもしれない。などと考えさせられてしまう。
 


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